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青い残り火
第10章 第10章
「……じつは先生なんだ、……辞書」
「西崎先生?」
「うん」
頷いたまま俯く一馬に、芽衣は用意してきた言葉を冷静に口にした。
「一馬、わかってる? 西崎先生って三十才位だよ。笑った顔見たこと無いし、生徒とお喋りすることもないし、いったいどこが好きなの?」
短い沈黙の後、「俺にも分からない」と呟いた一馬は正面を向いてため息をついた。
「それって年上に憧れてるだけで、現実を忘れてるんだよ、きっとそう、だっておかしいでしょ、十年後を考えてみてよ」
ひとまわり違う女との未来も想像出来ないほど彼は浮き足立ち、恋の病におかされている。
「十年後なんてどうでもいい」
「ほらね、本気じゃないのよ。だって普通に考えてもおかしいよ、あんなぱっとしない……、しかも教師と男子生徒なんて、誰も認めないよ、ドラマじゃないんだから。それに、西崎先生には富田先生がいるじゃない、凄くお似合いの。一馬、目を覚ましてよ、私待ってるから。ずっと一馬のこと好きでいるから」
「西崎先生?」
「うん」
頷いたまま俯く一馬に、芽衣は用意してきた言葉を冷静に口にした。
「一馬、わかってる? 西崎先生って三十才位だよ。笑った顔見たこと無いし、生徒とお喋りすることもないし、いったいどこが好きなの?」
短い沈黙の後、「俺にも分からない」と呟いた一馬は正面を向いてため息をついた。
「それって年上に憧れてるだけで、現実を忘れてるんだよ、きっとそう、だっておかしいでしょ、十年後を考えてみてよ」
ひとまわり違う女との未来も想像出来ないほど彼は浮き足立ち、恋の病におかされている。
「十年後なんてどうでもいい」
「ほらね、本気じゃないのよ。だって普通に考えてもおかしいよ、あんなぱっとしない……、しかも教師と男子生徒なんて、誰も認めないよ、ドラマじゃないんだから。それに、西崎先生には富田先生がいるじゃない、凄くお似合いの。一馬、目を覚ましてよ、私待ってるから。ずっと一馬のこと好きでいるから」