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青い残り火
第10章 第10章
は?
唐突な発言に、芽衣は聞き違いだと思った。
どう切り出せばいいだろうかと思い悩んでここまできたのに、いきなりそんな言葉を突き付けてくる一馬が信じられない。
「ごめん、俺もう芽衣に嘘をつき続けるの無理」
自分が何を言っているのかわかっているのだろうか
「い、いきなり言われてもよくわかんないんだけど……」
一馬は組んだ手を見つめたままだった。
誰に向かって喋っているのか、なぜこちらを見て話してくれないのかと無性に腹が立った。
「その、好きな人って誰?」
「それは、言えない」
「え、なにそれ、報告だけ?」
「……」
「はいわかりました、って言えると思う?」
西崎澪に違いなかった。
でもあの時、彼自身が西崎に相手にされていないと気付いた筈だ。なのにまだ好きな人だと言える彼に飽きれ、なぜ黙っていてくれないのかと虚しくなった。
「そうだよな」
ようやく視線を合わせた一馬の顔は悲しげで、力なく笑うその横顔に芽衣は一瞬見とれた。
唐突な発言に、芽衣は聞き違いだと思った。
どう切り出せばいいだろうかと思い悩んでここまできたのに、いきなりそんな言葉を突き付けてくる一馬が信じられない。
「ごめん、俺もう芽衣に嘘をつき続けるの無理」
自分が何を言っているのかわかっているのだろうか
「い、いきなり言われてもよくわかんないんだけど……」
一馬は組んだ手を見つめたままだった。
誰に向かって喋っているのか、なぜこちらを見て話してくれないのかと無性に腹が立った。
「その、好きな人って誰?」
「それは、言えない」
「え、なにそれ、報告だけ?」
「……」
「はいわかりました、って言えると思う?」
西崎澪に違いなかった。
でもあの時、彼自身が西崎に相手にされていないと気付いた筈だ。なのにまだ好きな人だと言える彼に飽きれ、なぜ黙っていてくれないのかと虚しくなった。
「そうだよな」
ようやく視線を合わせた一馬の顔は悲しげで、力なく笑うその横顔に芽衣は一瞬見とれた。