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青い残り火
第11章 第11章
教室に着いたのは二時限目の終わりだった。チャイムが鳴り、物理の教師村井が出ていくのを見送ってから、一馬は後ろの扉を開けて中に入った。
休み時間の教室はざわつき、あちこちに小さなグループが出来ている。
「大丈夫か一馬」
鈴木がすかさず近付いてきた。
「うん、たいしたことない」
席に着いた一馬の前の席に、鈴木がどっかと後ろ向きに座った。すぐに桃香と千紗もやって来た。
「なんだよお前ら」
芽衣との事がばれて、三人が自分をやり込めに来たのだと彼は思った。
「ねぇ知ってる?」
桃香が机に両手を置いた。
「なに」
「大変なことになってるよ」
桃香と向かい合った千紗が辺りを見渡しながら囁いた。
「だから何なんだよ」
鈴木が身を乗り出した。
「驚くなよ一馬、……美術の三島と、あの辞書がデキてる」
「えっ?」
「まじで、えっ? だよね」
千紗の声に一馬以外の三人が頷き合った。
「そ、それって何でわかったんだよ!」
一馬の声に周囲が振り向き、彼は慌てて口を押さえた。
休み時間の教室はざわつき、あちこちに小さなグループが出来ている。
「大丈夫か一馬」
鈴木がすかさず近付いてきた。
「うん、たいしたことない」
席に着いた一馬の前の席に、鈴木がどっかと後ろ向きに座った。すぐに桃香と千紗もやって来た。
「なんだよお前ら」
芽衣との事がばれて、三人が自分をやり込めに来たのだと彼は思った。
「ねぇ知ってる?」
桃香が机に両手を置いた。
「なに」
「大変なことになってるよ」
桃香と向かい合った千紗が辺りを見渡しながら囁いた。
「だから何なんだよ」
鈴木が身を乗り出した。
「驚くなよ一馬、……美術の三島と、あの辞書がデキてる」
「えっ?」
「まじで、えっ? だよね」
千紗の声に一馬以外の三人が頷き合った。
「そ、それって何でわかったんだよ!」
一馬の声に周囲が振り向き、彼は慌てて口を押さえた。