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青い残り火
第11章 第11章
職員室の廊下まで来た四人は、そこで話し込んでいる富田と西崎を見つけた。
富田は落ち着きなく何度も頭を掻いている。西崎は辞典を脇に抱え、富田が手にしたプリントに指を這わせていた。
「ジミ田嬉しそう」
「何だかかわいそう」
千紗と桃香がひそひそと話すうち、西崎は富田に会釈してから職員室に入っていった。富田はそのまま、ぼーっと職員室の中を見つめて立ち、はっとして足を踏み出そうとした。
「先生、文化祭で出す模擬店の場所を決めに来ました」
鈴木に呼び止められた富田は「あ、うん。ではえーっと、この用紙にですね、希望の場所とクラスと、何をやるかを書き込んで、後で持ってきてください」と言ってプリントを一枚手渡した。
「先生、あの、私達場所はもう決めているので、今ここで書いて、先生に渡しますから、すぐに許可してもらいたいんです」
鈴木を後押ししたい桃香は、緊張しながらも勇気を振り絞ってお願いした。だが、富田は桃香に目もくれず「あぁ、そう……」と、気のない返事で別の方向を見ていた。
富田は落ち着きなく何度も頭を掻いている。西崎は辞典を脇に抱え、富田が手にしたプリントに指を這わせていた。
「ジミ田嬉しそう」
「何だかかわいそう」
千紗と桃香がひそひそと話すうち、西崎は富田に会釈してから職員室に入っていった。富田はそのまま、ぼーっと職員室の中を見つめて立ち、はっとして足を踏み出そうとした。
「先生、文化祭で出す模擬店の場所を決めに来ました」
鈴木に呼び止められた富田は「あ、うん。ではえーっと、この用紙にですね、希望の場所とクラスと、何をやるかを書き込んで、後で持ってきてください」と言ってプリントを一枚手渡した。
「先生、あの、私達場所はもう決めているので、今ここで書いて、先生に渡しますから、すぐに許可してもらいたいんです」
鈴木を後押ししたい桃香は、緊張しながらも勇気を振り絞ってお願いした。だが、富田は桃香に目もくれず「あぁ、そう……」と、気のない返事で別の方向を見ていた。