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青い残り火
第11章 第11章
「お前すげぇなぁ……あ、いや、お前いくらなんでもそれはないだろう」

桃香が、台詞を棒読みしている鈴木を睨み付けた。
千紗と桃香は幾つかの疑問を一馬にぶつけ、彼はその全てに答えた。

「じゃあ一馬のあの詩……辞書に向かって書いたの?」

「私感動しちゃって、メモって芽衣に渡したんだからね!」

「ごめん」

「お前、芽衣に辞書の事話したんだよな?」

「話したけど納得してないと思う」

「そりゃそうよ、先生だよ先生。年の差ありすぎでしょ、バカげてる」

鈴木は、「芽衣が待ってるって言うなら元に戻ればいいじゃないか、一時の気の迷いだろ」と意見したが、一馬は、「もう嘘はつきたくない、気の迷いなんかじゃない」と返した。

「私、渋谷との事をあれこれ相談しちゃったよ」

「私だってのろけまくってた」

「え、もしかして、俺との事?」

鈴木が照れながら訊くと、桃香が少し赤くなってこくりと頷いた。

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