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青い残り火
第12章 第12章
「渋谷はフェルトを切っただけだけどね」

「えっ、そうなの? まるで自分が作ったみたいに言ってたよ。まいっか、手作り感満載って事で」

「このブタも芽衣が縫ったの? 縫い目が綺麗に揃ってる」

「そうだよ、心を込めて縫いました。お買い上げありがとうごさいます」

ぺこりと頭を下げた芽衣はニッと笑い、それを見た二人は顔を見合わせて明るく笑った。

「芽衣、焼そば食べに来なかったでしょ? 持ってきたよ」

「一緒に食べよ」

「わぁ、いいの? ありがとう、食べる食べるお腹すいた」

一馬に会うのが辛くて中庭に行かなかった芽衣は、二人のお陰で遅い昼食を賑やかに過ごすことができた。

その後三人は体育館へ行き、神谷のクラスの合唱を鑑賞した。
二人は舞台上の生徒の中に、パンダやイチゴの飾りを付けた女子を見付けて喜んでいたが、芽衣は舞台の下で教え子を見守る神谷由香利に目がいった。

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