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青い残り火
第12章 第12章
気まずい雰囲気を察してくれた二人に感謝しつつ、芽衣はその誘いを断った。

「ごめん、今日は家族で食事に出掛ける予定なの」

「そっかぁ、残念」

最近の自分と一馬の様子から、二人はもう気付いているのかも知れない。もしそうなら、友達に気を使わせてしまう自分が情けなかった。

「また今度誘ってね」

「うん」




文化祭は無事幕を下ろした。一抹の寂しさの中、施設の片付けやごみ拾いを終えた生徒達は、後夜祭の為に再び体育館へと向かう。
クラスに関係なく、カラオケや趣味のギター演奏、仮装コンテスト等、文化祭とは違った嗜好で繰り広げられる後夜祭を楽しみにしている生徒は多い。
舞台発表後に秘めた想いを告白する者もいて、そのサプライズの為に、歌や楽器の練習を重ねてきた者もいる。

芽衣は窓から中庭を見下ろしていた。
夕焼けに染まる空の下を、明るいざわめきが一方向に流れてゆく。

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