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青い残り火
第13章 第13章
「真面目な大学生活を送ってちょうだい、自分で選んだ道なんだから」
春休みも後半になり、新学年のクラス分けが一段落した母の総子は、珍しく昼間家にいた。
「わかってるって」
総子が我が子の卒業アルバムを開くのはいつも、卒業式が終わってだいぶ経ってからだった。
小学生の時も中学の時も、卒業式には父親が参列し、母親は毎回、勤務する中学校の卒業式にいた。
今回も例外ではなく、そしてまた今回も彼女はリビングで膝をくずし、一馬の卒業アルバムに念入りに目を通していた。
「この子が鈴木君ね、この子は?」
「バスケ部のキャプテンはどの子?」
「あら、あなたまだ彼女いないの?」
面倒だと思いながらもひと通り説明した一馬は、ようやく母親から開放された。
テレビは連日桜の開花情報を唱えている。一馬はバイトに行く前にシャワーを浴びようと立ち上がった。
「あら」
アルバムを見続けていた母親が、また何か見つけたらしい。
春休みも後半になり、新学年のクラス分けが一段落した母の総子は、珍しく昼間家にいた。
「わかってるって」
総子が我が子の卒業アルバムを開くのはいつも、卒業式が終わってだいぶ経ってからだった。
小学生の時も中学の時も、卒業式には父親が参列し、母親は毎回、勤務する中学校の卒業式にいた。
今回も例外ではなく、そしてまた今回も彼女はリビングで膝をくずし、一馬の卒業アルバムに念入りに目を通していた。
「この子が鈴木君ね、この子は?」
「バスケ部のキャプテンはどの子?」
「あら、あなたまだ彼女いないの?」
面倒だと思いながらもひと通り説明した一馬は、ようやく母親から開放された。
テレビは連日桜の開花情報を唱えている。一馬はバイトに行く前にシャワーを浴びようと立ち上がった。
「あら」
アルバムを見続けていた母親が、また何か見つけたらしい。