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青い残り火
第13章 第13章
生徒の殆どは進路が決まり、開放的な気分で残りの学校生活を謳歌していた。
クリスマス、冬休み、新年。これまでで一番気楽に過ごせる時間を、一馬は虚無感を隠しながら過ごした。

誰にも打ち明けられないという事は、誰からも責められないという事でもあった。彼はその分自分を責め、余計な情報を持ち込んできた理恵子を恨んだ。
あの電話さえなければ、卒業までの時間もその先も、思う存分楽しめた筈だった。

仲間内で愉快に笑い合っても、家に帰れば落ち込んだ。なぜこうなってしまったのか、どこで間違えたのかを振り返ってばかりいた。

本当に西崎澪を好きだったったのか?
三島に負けないほど?

そうだとは言い切れなかった。
本当の恋を知って成長したつもりになり、結局相手を傷付けた。美弥や芽衣の時よりも酷く。

大切なのは自分だった
そんなガキが相手にされるわけがない

「先生、ごめん」

伝えればまた傷付ける言葉を、胸の中で言い続けるしかなかった。






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