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青い残り火
第3章 第3章
芽衣はバニラアイスにスプーンを差し込み、底に敷かれたブラウニーを一緒にすくって口に運んだ。一方、一馬はチョコがかかった生クリームをバナナから落とすまいと格闘している。

「食べるの遅いよね」

「芽衣が早すぎるんだろ」

口を尖らせる彼氏の幼稚さにくすりと笑い、芽衣は視線を反らせて窓の外を眺めた。

六時からバイトなんだけど、という前置き付きで一馬から誘われたのは今朝の登校途中だった。

「今日は職員会議で授業が午前中で終わるだろ、どこかでランチして、夕方まで俺んちでゆっくりしない? バイト代入ったんだ、もちろんパフェもおっけー」

「うん!」

嬉しくて授業に集中できず、芽衣は時計ばかり眺めて過ごした。

──俺んちでゆっくりしない?

そこへ行けばまた、二人の秘密が育つ。

コトコトと鳴り出す胸元を押さえると、蘇ってくる一馬の温もりに下半身が疼いた。

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