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青い残り火
第14章 最終章
彼には生徒達がいた。彼の元を離れた今でも連絡をくれる教え子達がいた。

前を向こう
心を尽くそう
それがあの人と、そして俺自身と対峙する事だ

「不思議だね、一馬があの学園の教壇に立つなんて。教室の窓から、みんなは今何を見てるんだろうね。……もしもし? あれ? 緊張してるの? ……大丈夫、一馬は信頼されてる先生なんだから、自信を持ってどんと構えてたらいいんだよ。私がついてるからね、いつもだよ」

昨夜の芽衣の声が、一馬を力強く後押ししていた。これまで、彼女の確信に満ちた言葉に何度救われたかわからない。彼はこの頼りになるパートナーに、プロポーズするのは今夜だと決意した。


一緒に生きていこう
芽衣、結婚してください


一馬は胸を張り、真っ直ぐに前を向いた。
深い後悔と苦悩を胸の奥底に忍ばせ、苦い思い出の地へと踏み出した。

春のそよ風が枝葉を揺らし、道をゆく者たちの肩に、光のさざめきを映し出す。車道の両側を縁取るけやき並木は、夏には深い緑で日陰をつくり、秋には赤や黄色に色付いて葉を落とした。











※あとがきを書きました


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