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青い残り火
第14章 最終章
新調したスーツを纏い、一馬は電車を降りた。改札を抜けて駅を出ると、朝の匂いと馴染みの風景が彼の気持ちを引き締めた。
駅前にはコンビニができ、通勤途中の会社員が忙しく出入りしている。そこで買い食いしている生徒がいないことを確かめて、彼は新たな職場を目指した。
母校の制服は変わっていない。一馬が新しく着任した教師だと知らない彼らは、 無作法に横をすり抜け、目が合っても気に止めたりしない。一馬はその流れに沿って通学路を彼らと歩いた。
離れたりくっついたりしながら歩く三人の女子生徒が、千紗と桃香、芽衣に見える。バタバタと走り抜けていく坊主頭の鈴木、尻にバッグをぶつけてくる渋谷。バスケ部の面々、後輩達……
彼らはそこにいた。もう二度と戻れない日々を、悩み、笑い、悪態をつき、無邪気に生きていた。
君らはどう生きるんだ
生徒に問い掛けながら一馬は自分に問いかけた。
駅前にはコンビニができ、通勤途中の会社員が忙しく出入りしている。そこで買い食いしている生徒がいないことを確かめて、彼は新たな職場を目指した。
母校の制服は変わっていない。一馬が新しく着任した教師だと知らない彼らは、 無作法に横をすり抜け、目が合っても気に止めたりしない。一馬はその流れに沿って通学路を彼らと歩いた。
離れたりくっついたりしながら歩く三人の女子生徒が、千紗と桃香、芽衣に見える。バタバタと走り抜けていく坊主頭の鈴木、尻にバッグをぶつけてくる渋谷。バスケ部の面々、後輩達……
彼らはそこにいた。もう二度と戻れない日々を、悩み、笑い、悪態をつき、無邪気に生きていた。
君らはどう生きるんだ
生徒に問い掛けながら一馬は自分に問いかけた。