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青い残り火
第4章 第4章
美弥の嫉妬は煩わしい。なだめる時間さえ無意味だった。
「わかりました、十時半なら行けます」
「おっけー、じゃあハイボールもう一杯、理恵子は?」
理恵子は首を振り、カシスオレンジを飲み干した。
「明日は夜勤でしょ? もう少し飲んでもいいんじゃない?」
「そうだけどゆっくりもしていられないのよ、夜勤は疲れるもの」
「ナースって大変ね、遊ぶ暇もないじゃない」
真琴がつまらなそうにため息をついた。
「患者樣第一です、ふふっ、それに、もう無理はしないの」
「三十路だもんね」
「そう、お互いにね」
「ではハイボール一つですね、ありがとうございます」
理恵子きっと真面目な看護師なのだろう、と一馬は思った。だから今でも──
元彼は真面目で木訥な人だと彼女は言った。
「かっこよくないのよ、でも愛してた」
その彼が偶然にも真琴と同じ銀行で、別の支店に勤めていたことから、二人を会わせたのがそもそもの間違いだった。
男なら誰でも真琴に走るだろう。至極当然の事だと一馬は思った。
「わかりました、十時半なら行けます」
「おっけー、じゃあハイボールもう一杯、理恵子は?」
理恵子は首を振り、カシスオレンジを飲み干した。
「明日は夜勤でしょ? もう少し飲んでもいいんじゃない?」
「そうだけどゆっくりもしていられないのよ、夜勤は疲れるもの」
「ナースって大変ね、遊ぶ暇もないじゃない」
真琴がつまらなそうにため息をついた。
「患者樣第一です、ふふっ、それに、もう無理はしないの」
「三十路だもんね」
「そう、お互いにね」
「ではハイボール一つですね、ありがとうございます」
理恵子きっと真面目な看護師なのだろう、と一馬は思った。だから今でも──
元彼は真面目で木訥な人だと彼女は言った。
「かっこよくないのよ、でも愛してた」
その彼が偶然にも真琴と同じ銀行で、別の支店に勤めていたことから、二人を会わせたのがそもそもの間違いだった。
男なら誰でも真琴に走るだろう。至極当然の事だと一馬は思った。