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青い残り火
第6章 第6章
「やっぱ先生によって違うんだね」
頷き合う千紗と桃香に「なにが?」と訊ねた芽衣だったが、はっきりしない二人にすぐに興味を無くし、リュックからメモ帳を取り出した。それを見た友達二人は、人差し指を口に当てて目配せし合った。
各教科のテスト範囲を確認する芽衣に、千紗が訳ありの様子で口を開いた。
「あの芽衣、じつは私」
「ん、なあに?」
「……ほら千紗、早く言いなよ」
桃香が千紗を急かす。
「なに、どうしたの?」
この二人はいつも焦れったい
言いたくなければ黙っていればいいのに
芽衣は再びメモに目を向けた。
「私ね、渋谷に告白されちゃった」
そんな冗談を言える子だっただろうかと、芽衣は耳を疑った。
「えっ? なに」
ありえない、という言葉を必死に飲み込んだ。
「びっくりだよね、信じられる?」
桃香はまるで自分の事のようにはしゃいだ。芽衣と同じクラスの渋谷は、体格も声も態度も大きく、この学園で彼を知らない者はいない。厳つい顔が女子には敬遠されたが、なぜか多くの友人に信頼され、教師達からも一目置かれる存在だった。
頷き合う千紗と桃香に「なにが?」と訊ねた芽衣だったが、はっきりしない二人にすぐに興味を無くし、リュックからメモ帳を取り出した。それを見た友達二人は、人差し指を口に当てて目配せし合った。
各教科のテスト範囲を確認する芽衣に、千紗が訳ありの様子で口を開いた。
「あの芽衣、じつは私」
「ん、なあに?」
「……ほら千紗、早く言いなよ」
桃香が千紗を急かす。
「なに、どうしたの?」
この二人はいつも焦れったい
言いたくなければ黙っていればいいのに
芽衣は再びメモに目を向けた。
「私ね、渋谷に告白されちゃった」
そんな冗談を言える子だっただろうかと、芽衣は耳を疑った。
「えっ? なに」
ありえない、という言葉を必死に飲み込んだ。
「びっくりだよね、信じられる?」
桃香はまるで自分の事のようにはしゃいだ。芽衣と同じクラスの渋谷は、体格も声も態度も大きく、この学園で彼を知らない者はいない。厳つい顔が女子には敬遠されたが、なぜか多くの友人に信頼され、教師達からも一目置かれる存在だった。