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青い残り火
第6章 第6章
一馬が神谷由香利に注目していなかったことで芽衣は溜飲を下げた。
興味ないよね
だって
私がいるんだもの
着席して物理の教科書を開き、テスト範囲のページの角に折り目をつけた。自習する素振りで隣を見ると、渋谷が机の下で携帯電話を弄っている。
教科書で顔を隠した芽衣が「先生に見つかるよ」と小声で言うと、「いいのがないからアニメにする」と、大袈裟に口をへの字にして目をむいた。
「顔怖いよ」
「一馬と比べんな」
吹き出しそうになるのを堪えた芽衣は、「渋谷はいいやつだよ」と目を潤ませていた桃香を思い出した。
私も祝福しなきゃ
友達だもん
おめでとう、千紗
友達への妬みを払いのけた芽衣は、千紗がこれから経験する男女の関係に思いを巡らせた。
二人はいつ愛し合うのだろう
私達のように初デートの日かもしれない
ということは映画に行く日?
三島先生と神谷先生はどうなの?
すでに深い仲だったりして……
興味ないよね
だって
私がいるんだもの
着席して物理の教科書を開き、テスト範囲のページの角に折り目をつけた。自習する素振りで隣を見ると、渋谷が机の下で携帯電話を弄っている。
教科書で顔を隠した芽衣が「先生に見つかるよ」と小声で言うと、「いいのがないからアニメにする」と、大袈裟に口をへの字にして目をむいた。
「顔怖いよ」
「一馬と比べんな」
吹き出しそうになるのを堪えた芽衣は、「渋谷はいいやつだよ」と目を潤ませていた桃香を思い出した。
私も祝福しなきゃ
友達だもん
おめでとう、千紗
友達への妬みを払いのけた芽衣は、千紗がこれから経験する男女の関係に思いを巡らせた。
二人はいつ愛し合うのだろう
私達のように初デートの日かもしれない
ということは映画に行く日?
三島先生と神谷先生はどうなの?
すでに深い仲だったりして……