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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
 頷けば、まなじりから涙がこぼれた。それをあの長い指で拭われれば、体はようやく安心したように強張りを解いてくれた。
 その深い呼吸と共に、接吻するように肉壁がきゅうと収縮し、甘みを帯びた快感が滲み出す。男の心地好さそうな息と重なれば、ただ嬉しかった。
 もっとしても大丈夫だと、男の背に、腰に腕を伸ばせば、ゆるやかな律動が始まる。本当にゆっくり……ゆっくりと抽挿が繰り返され、優しく奥を穿たれる。
 渇いたような痛みはすぐには消えてくれなかった。でもその痛みの中にゆっくりと、男の動きに合わせるように潤いが染み込んで……それは次第に小波(さざなみ)となって、神依の心と体に穏やかに打ち寄せた。
 「……っく、ぅん……んんっ……」
「神依……」
「ぁん……、あ……日嗣様……っ」
神依に取っては初めて味わう、内側からの快感。苦しそうに眉を寄せ、それでも苦痛だけではない吐息混じりの声に耳元をくすぐられ、日嗣にはそれがやけに誇らしく、喜ばしく感じられた。
 無くしたくない。神依にもまた、この時が特別に幸福なものであるように感じてもらいたい。
 だからせめて今だけは、臆病とそしられてもいいほどに緩やかな動きだけを丹念に繰り返した。
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