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禁断背徳の鎖3・縺れるDestiny-運命-
第5章 秘書課の黒崎さん



堀之内部長にたしなめられては、私も高橋さんも引き下がるしかない‥
それに、本当に会長が来ているらしく、社内の雰囲気も何時もより緊張感が漂っているし‥‥



(・・凄いよね‥
これが早乙女会長って効力なんだ・・)


分かってはいたつもりでも、こうやって本社内で直に感じたら、やっぱり早乙女会長って存在は、とんでもなく大きいと思ってしまう。


とりあえず、自分のデスクに戻ってため息‥
来てるの、すっかり忘れてたなんて言えないし?



「倉原さん、今日は本当にヤバいって‥」


「結城さん‥
やっぱり会長が来てるから?」


私のデスクに顔を覗かせた結城さんも、ちょっとだけ渋い顔。



「まあ‥めったに来ない早乙女会長だけどさ、結構直接更迭を食らってる社員もいるんだよ‥
どうやって調べているかは不明だけど、早乙女会長じゃん?
目を付けられたらあの世行きって、話もあるくらいだしな」


「・・・・・・・」


だよね‥
一般的に言えばこれだった‥
最近、庶民感覚すっかり忘れていたんじゃない私?


街の早乙女会長のイメージ‥
私だって知っていた事なのに、本人を目の前にしているから、うっかり失念してた。



「く‥倉原さん?」


「ん?
そうだよね、ちょっと不味かったよね」


「不味いのは高橋の方だろうけど‥」


「それでも、喧嘩をふっかけたのは私の方‥」


こういうの嫌うって理解してるのに、私‥馬鹿だね‥
堀之内部長の言う通り、少しは控えないと、逆に会長‥いや、紀永や遠藤さんに迷惑が掛かるよ。



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