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イタズラな満月(フルムーン)
第2章 0's moon…プロローグ
「じゃぁね!」
「お疲れさまぁ!」

何時も通りに仕事を終えた雅は、手を振りながら店を後にした。それと同時に交代で入ってきた久我に目線をやる。

「久我君…」

声をかけるでもなく、遠目から見ていた。
その時、不意に目があった。

「…嘘」
「……」

無言ながらも、ひらひらと手を小さく振ってくれた久我。そんな久我にも雅は小さく手を振り替えすしかできなかった。

「はぁぁ…うまく話せない」

うつむきながら雅はその場を離れていった。

ピロロン…

雅のスマホにラインが届く。

【久我君と話せた?】
【やっぱ無理】
【何でよぅ!話せばいいのに!】
【仕事から離れたらやっぱ無理…】

そうこう話していた。
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