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好きになった人
第4章 冬
ガチャリと、ドアが開いた音が聞こえる

誠が帰ってきたみたいだ


ただいま。。。?


おかえりなさい。。。


ごめん。。。遅くなった


いいよ。。。仕事の付き合いなんだから、仕方ないよ?


いつも通りに笑いかけていく


ご飯食べた?


ああ。。。ごめん。。。

詩織は、食べた?


食欲ないから、いらないわ。。。


泣きそうになるのを我慢して、笑いかけて話す


え。。。?

もしかして、待ってた?


ううん。。。大丈夫よ


誠が近づいてくるのを、避けるように立ち上がり、冷蔵庫を開ける


ビール、飲む?


ビールを取りながら、振り向かずに聞く

後ろから、手が伸びてきてビールを取っている手を捕まえてくる


持っていくよ

グラスと、何か食べるもの、持ってきて?

詩織、何か食べた方がいい。。。


抱きしめながら、耳元で話してくる


っ。。。わかった


体が離れていく

グラスと、つまみを用意していく

テーブルに並べると、隣に座るように言われる

グラスにビールを入れると、渡してくる

ビールを流し込んでいく

私の髪を撫でながら、聞いてくる


何かあったな?


ないよ?

遅くなるなら、電話してくれたらいいのに。。。


運転してたから、出来なくて。。。

ごめんな?


おじさん達の楽しそうな声がしてたよ?

ふふっ


ああ。。。疲れたよ。。。

で、何を隠してる?


何?


俺を騙せるって思ってる?


何?


心がドキリとする


まあ、いいよ。。。


頭をポンポンしてくる

この距離は苦しい。。。

抱きしめ合うのもキスするのも、求められない


本当に、いいの?


言わないつもりだろ?


髪を撫でて、私を見る


誠。。。


ん?


私、誠が別れたいって言うまでは、一緒にいる

別れたくなったら、すぐに消えるわ。。。

だから、別れたかったら、いつでも言って?


また、勝手に決める。。。

じゃあ、ずっと一緒にいろ。。。

離してやらない。。。


わかった。。。


詩織、何で抱きついてこないの?


っ。。。何となくかな?


髪を撫でていた手が体を引き寄せていく

抱きしめられると、苦しい。。。

抱きしめ返せないでいると、体が離れて顎を掴んでくる


ちゃんと、目を見ろ?









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