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第5章 春ー2

大人達が、どうするつもりかわからない今、対策しようがない

蓮と私、陸と璃子のペアに別れて、チャンスを待つことにした

蓮と私は、詩織を

陸と璃子は、お父さんを

目を離さないこと

一人では、行動しないこと


そして、今、私達は子供達とサッカーする陸を見ていた

途中、お父さんが割り込んで来て、陸と蹴りあっていた

お父さんも、私が男ならサッカーしたかったと言っていたのを思い出した

陸と笑いあいながらサッカーする姿は親子みたいだ

陸は、子供達とはしゃいでいる

陸に、目を奪われてると蓮が耳打ちしてきた


茉莉、動きがある。。。

陸と璃子はこのまま、お父さんに見張らせて、俺達は茉莉のお父さんと俺のお母さんを追うよ？


でも、どうやって？


多分、海岸に向かうだろう。。。

左右に別れて、トイレに行くふりして落ち合おう？


わかった。。。

先に行くね？


茉莉、何かあったら電話して？


璃子が心配そうに言う


茉莉もね？


お互いの健闘を祈り、歩いて行く

歩いて行くと、陸のお父さんが話かけてきた


茉莉ちゃん、どこに行くの？


え。。。


言えない？


小さな声で答える

視界の端に、蓮が歩いて行くのが見える

時間を稼がなくては。。。

恥ずかしそうに、答えられないふりして、時間を稼ぐ


言えない？


小さな声で答える


。。。トイレ。。。です。。。


泣きそうな目で見ると、誠が慌てる顔してる


ごめんな？

早く行っておいで？


っ。。。ハイ。。。


小走りに走り、トイレまで行き、振り向くと誠は見ていなかった

璃子に話かけられて、笑っている

チャンスだ。。。

トイレの裏から海岸に走る

蓮の姿が目に入り、合流していく


うまくいったな？


ハイ

ドキドキしたあっ


なるべく、端を歩いて行く

蓮が止まり、私を引っ張る


詩織がベンチに座っている

一人だ。。。

詩織は空を見ている

そういえば、お父さんも、よく空を見てるな。。。

蓮が話かけてくる


嫌なこととか、迷いがある時は空を、海を見ると心がおちつくらしいよ。。。？

小さい頃は、よく空を一緒に見たな。。。

今日は、何色に見えるんだろう。。。？


蓮と一緒に空を見る

今日の空はスカイブルーだ。。。