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第5章 春ー2

詩織side

海岸のベンチに座り、直樹を待つ

空を見ていると、安心する

海と、反射してエメラルドグリーンに見える

いつかの小説と同じ色。。。

手を伸ばしていく

頭の上から、私を覗いた直樹が見える


何か欲しいの？


隣に座り、私の手を掴む


手の間から、海と、空が混ざる色が見えるよ？


直樹が私の手を離して覗きこんでくる


本当だな。。。エメラルドグリーンだ。。。


でしょう？

ふふっ


何？


同じ色が見えたから。。。


っ。。。

詩織、俺達が話を出来るのは、一時間だけなんだ

今日は、何もしない。。。

旦那と約束したからな。。。？


直樹。。。？何の話をするの？


海を見たまま聞く

直樹を見たら、流されてしまう

直樹の視線を感じる


陸。。。


え？


陸のこと、教えて？


いいよ。。。

陸は、ハチャメチャな子供だったよ？

産まれた日から、抱っこしていないとずっと泣いて騒いで。。。

毎日、１日中、抱っこしていた

寝るのも、抱っこしながら壁にもたれて寝てた

誠が、私が倒れそうになるのを阻止しようと、陸を見てくれたけど陸は私を求めて、泣き叫んでた

あまり寝られない日々が続いて。。。

アメリカに転勤になった

アメリカでは、ベビーシッターさんが助けてくれて、２才になる頃に、サッカーボールをもらったの

サッカーボールに夢中になり、サッカーしている間は手がかからなくなった

アメリカでも、クラブチームに入って、落ち着いていた

日本に帰ってきたら、自由な陸には窮屈だったみたいで。。。


涙が流れてくる


毎日、誰かともめ事をして、毎日、謝りに行ったわ

かさを壊したとか、喧嘩したとか。。。

陸に、かかりっきりだった

他人の心ない言葉に傷ついた

あんな子供、大変だね？

何度も言われた

だんだん、疲れがたまり、誠とレスになったのも気づかなかった

陸が問題を起こす度に、謝りに行き辛くて。。。

追い詰められて、陸と死のうか悩んだこともあった

そんな私と、陸に、誠はずっと根気よく話をしてくれた

誠が陸に、根気よく注意して助けてくれた

サッカーしている間が１番、陸らしいって、サッカー嫌いなのに、陸がするのを応援してくれた

陸は、手がかかる子供だったのよ？