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第5章 春ー2

抱きしめてほしい。。。

心で囁く

直樹の視線を感じる



詩織。。。

抱きしめたい。。。

っ。。。

できないんだよな。。。？



っ。。。ごめん。。。



直樹を見ると泣いている



っ。。。何で？



どこで、間違えたんだろうな。。。？

離さなければよかった。。。



堪らなくなり、抱きしめたくなる

髪を撫でてくるけど、抱きしめてはくれない


っ。。。

詩織。。。少しだけならいいかな？


うん。。。


一瞬、ギュッと抱きしめてくれる


体が離れていく


俺の話も聞いてくれる？


うん。。。


うちは、詩織も知ってるけど自営だろ？

継いでくれる跡取りが、いるんだよ。。。

今の時代に、女でもいいと思うだろうけど、両親は納得いかなくて。。。

結局、四人とも女の子しか産まれなかった

両親からも、ゆりからも、何度も責められたよ

結果、他の女でストレス発散してた

でも、やっぱり出来なくて。。。

茉莉は俺の子供じゃない。。。

でも、一緒に生活していると、親子みたいになるんだよな。。。

詩織の旦那の気持ちもわかる


心がズキズキする。。。

直樹が私の髪を撫でている


自分から突き離した詩織が、忘れられなくて、ちょっかい出してた

ずっと、蓮が自分の子供ならいいのに。。。って思った

陸が、俺達の子供だと聞いて驚いた

サッカーチームで初めて会った時、詩織とそっくりの目で、俺を見ていた陸に、射ぬかれたみたいに心が痛かった

気になって、調べたらやっぱり詩織の子供だった

詩織に連絡したい衝動がおきたけど、陸と一緒に過ごしたいって感じた。。。

陸とサッカー始めてから、6年だな。。。

親子だと知っていたら、もっと時間を大切にしたのに。。。？


っ。。。ごめん。。。


陸が欲しいのは変わらない。。。

でも、陸も高校生だ

思い通りにはならないのは、わかってる

陸には、言わなくてもいい。。。

陸と過ごす時間は今までと同じように欲しい。。。

父親だとは、言わないから。。。？

陸の父親は、詩織の旦那だけだよ。。。

二人だから、今の陸がいる

俺とじゃ、今の陸はいない。。。

でも、陸と俺の時間は、奪わないで。。。？

詩織のことは、諦めてあげる。。。