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第8章 夏―2.9

電話をかけていく

３コールで、陸が電話に出た

...

もしもし？

陸？


茉莉？母さん達に会えた？


うん、会えたよ


よかった

コーチ、父さんに返してくれたんだ？


よくないよ。。。？

二人で酔っていたよ？


まじかよ？

どこで？


居酒屋。。。

しかも、狭くて汚ない。。。


電話口で、クスクス笑いながら話している


そっか


どこにいるの？


あー。。。

もうすぐ、帰るよ？


っ。。。



ふいに、電話が取られた

お母さんが睨んで、電話に出る


もしもし、陸くん？

茉莉の母だけど。。。？


え？あー。。。こんばんは

何か。。。？


何かじゃないわよね？

人の娘を妊娠させといて、他の女と遊んで？


っ。。。


明日、うちに、いらっしゃい？

話しをしましょう？

言っておくけど、断る権利は、ないわよ？

明日、10時に待ってるから


わかりました


...


電話を切ると、私に渡す


お母さんっ？

ひどいっ


何よ？

手に入れたくないの？


でも、こんなやり方。。。


ケラケラ笑いながら私達に近づいてくるお父さんが見える


ゆり、陸をうちに呼んで、どうする気だよ？


もちろん、婚約する書類にサインさせるわ

まだ、結婚できる年齢じゃないし

取締役会に、間に合わないじゃない。。。？


ゆり、陸を傷つけたら、許さないからな？

もし、傷つけたら、お前を追い出す


傷つけないわよ

大事な大事な婿さまで、大事な大事な詩織の息子なんだから。。。？

あなたが、私を捨てたら、傷つけてしまうかもしれないわね？


っ。。。わかっている


あなたは、社長になりたい

両親を、守りたい

陸を手に入れたい


私を見る


茉莉は、陸を手に入れたい

今の生活をしていたい


私は、この生活を手放したくない


お互いに、利害は一致してるでしょう？

協力し合いましょう？

でないと、陸は、手に入れられないわよ。。。？


お父さんを見る

笑いながら、私を見る


会いに行ってきた？