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好きになった人
第9章 秋ー2
...


あなた達。。。?

何てことを。。。?


申し訳ありません。。。

俺のせいです。。。


あなたは、何度、詩織を傷つけたら気が済むの?

あの時、約束したわよね?

流産した時、二度と会わないって?

どうして。。。


申し訳ありません。。。


誠さんはお人好しね。。。

詩織を許して。。。

きっと、病気のことも知っていたんでしょう。。。

陸は、詩織の子供なのは変わりはないわ

あなたを許せないけど。。。

あなたも、親なんだから、わかるでしょう?

あんな娘でも、私も愛しているの。。。

許せてしまうのよ。。。


っ。。。はい。。。

俺は、陸を自分の子供だと思ってます

陸を、愛していますし、これからは詩織の代わりに見守っていきたいと思ってます

陸に名乗り出るつもりはありませんでした。。。

でも、いつか、他人によって知らされる日がくるくらいなら、自分が伝えるつもりでいます

それまでは。。。陸が大人になるまでは、俺が陸を守ります

詩織との最後の約束だけは守ります。。。


本当に?

今度は信じても大丈夫なの?


はい。。。


陸に伝えるその日は、私も、一緒にいるわ

勝手に、伝えないで。。。

約束してくれる?


っ。。。はい。。。

申し訳ありませんでした


っ。。。そう。。。

わかったわ。。。

今日は、陸の誕生日よね。。。

詩織がいなくなって初めての誕生日

詩織と陸が好きなケーキを焼いたの。。。

持っていってくれる?


はい


陸に伝えて。。。

誕生日おめでとうって。。。?


っ。。。はい。。。


陸が産まれた日も、すごく青い空だった

詩織から、片時も離れない陸を見て感じてた

何が不安なんだろうって。。。?

ようやく、わかった気がするわ

陸によろしくね。。。


はい。。。ありがとうございます


...


ケーキを食べる陸を、お父さんが見ている

詩織のお母さんとのやりとりはわからない

陸が、詩織のお母さんに電話して笑いながらお礼を言う姿は、少年のようだ

無邪気な顔を見ると、陸が羨ましくなる

陸は、たくさんの人に愛されていてズルい。。。

そう思う私は、性格が悪いな。。。

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