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奈落
第4章 恋慕
羽山さんはいつも店舗の巡回に来た時、
真っ先に私に声をかけてくる。
人気者な羽山さんは今日みたいに
藤原さんや他のスタッフに引き止められてしまうけど。
はあ~、今日もカッコイイなあ。
心の中でそう呟く。
身長が高くて、爽やかで、
キリッとした顔立ちに無邪気な笑顔。
「来週からビール1杯100円セールだぞ
他の店舗に負けないように売り込みしてくれよー
頑張れよ、岩城」
「はいっ!任せてください」
羽山さんはそう言うと、
ポンと私の頭を軽く撫でて
お疲れ様でした、と店を出ていった。
はあ~っ、たまらん。