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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
「ねえ、兄さん。一緒にクリスマスツリーを飾らない?」
どことなく沈んだ様子の兄を励ましたくて、暁は提案する。
「…クリスマスツリー?」
怪訝そうな顔をした後に、ああと合点がいったように頷く。
…もうそんなシーズンか…。
あまりに慌ただしくてすっかり忘れていた…。
「…来週はもうイブだよ」
端正な顔に少し寂しげな笑みを浮かべる。
…そう言えば、北白川家のホールに見事なツリーが飾られていたっけ…。
「…もう僕も22だし、クリスマスツリーなんて年じゃないから、今年はもう飾らなくていいかな…て思っていたんだけど…折角、兄さんが帰国したんだし…」
遠慮勝ちに言う暁を、縣は慈しみの眼差しで見つめる。
この心優しい弟は、なんとなく元気のない兄の気持ちを盛り上げようとしてくれているのだろう…。
…昔からそうだった。
いつも兄の私を気遣い控えめに私の陰に隠れるようにして…それでも私が声をかけると、本当に嬉しそうに微笑み、駆け寄ってくる…そんな弟だった。
縣は弾みをつけて椅子から立ち上がり、暁の肩に腕を回し殊更明るく答えた。
「よし!ツリーを飾ろう!男二人でド派手に飾り付けをして、楽しいクリスマスにしよう!」
二人は目を合わせて笑った。
どことなく沈んだ様子の兄を励ましたくて、暁は提案する。
「…クリスマスツリー?」
怪訝そうな顔をした後に、ああと合点がいったように頷く。
…もうそんなシーズンか…。
あまりに慌ただしくてすっかり忘れていた…。
「…来週はもうイブだよ」
端正な顔に少し寂しげな笑みを浮かべる。
…そう言えば、北白川家のホールに見事なツリーが飾られていたっけ…。
「…もう僕も22だし、クリスマスツリーなんて年じゃないから、今年はもう飾らなくていいかな…て思っていたんだけど…折角、兄さんが帰国したんだし…」
遠慮勝ちに言う暁を、縣は慈しみの眼差しで見つめる。
この心優しい弟は、なんとなく元気のない兄の気持ちを盛り上げようとしてくれているのだろう…。
…昔からそうだった。
いつも兄の私を気遣い控えめに私の陰に隠れるようにして…それでも私が声をかけると、本当に嬉しそうに微笑み、駆け寄ってくる…そんな弟だった。
縣は弾みをつけて椅子から立ち上がり、暁の肩に腕を回し殊更明るく答えた。
「よし!ツリーを飾ろう!男二人でド派手に飾り付けをして、楽しいクリスマスにしよう!」
二人は目を合わせて笑った。