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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
縣は跪き、光の手を握りしめる。
「…光さん、君は私の全てだ。君がいない人生はもはや考えられない。君は私の人生に色彩と喜びを与えてくれた。心の底から、愛している。…どうか私と結婚してくれ」
光はじっと縣を見つめ、眩しそうに微笑みながら頷いた。
「…ええ。喜んで」
縣は光の美しい手の甲にキスをすると立ち上がり、勢いよく光を抱き上げた。
「ありがとう!光さん!」
強く強く光を抱き締める。
…ようやく手に入れた。
私の女神…!
光は縣の頬を優しく撫でる。
「これから忙しくなるわね」
「そうだな、まずは明日の朝、弟に君を紹介して…」
縣は生真面目に指折り数える。
「それから?」
「神谷町の麻宮家に伺って、侯爵に結婚の許しを乞う」
「父が反対したら?」
縣はにやりと笑う。
「…二人でパリに駆け落ちしよう」
光が縣の首筋に抱きつく。
「ドラマチックだわ!」
しかしすぐに縣を見つめ、真剣な表情をする。
「…その前に大切なことを忘れているわ」
「何?」
少し不安な顔をする縣の高い鼻を、光は人差し指で突っついて、少女のように無垢な笑顔で笑った。
「私に貴方のオムレツを食べさせて。パリで作ってくれた、あのオムレツを」
縣は愛しくてたまらないように光の額に額をつける。
「…お安い御用だ。世界一美味いオムレツを作るよ。
…ポルチーニ茸はないかもしれないがね…」
光は縣の言葉を最後まで言わさずに、そっとキスした。
そして、愛を込めて優しく囁いた。
「…貴方が作るものなら、なんでも美味しいのよ…」
〜fin〜
「…光さん、君は私の全てだ。君がいない人生はもはや考えられない。君は私の人生に色彩と喜びを与えてくれた。心の底から、愛している。…どうか私と結婚してくれ」
光はじっと縣を見つめ、眩しそうに微笑みながら頷いた。
「…ええ。喜んで」
縣は光の美しい手の甲にキスをすると立ち上がり、勢いよく光を抱き上げた。
「ありがとう!光さん!」
強く強く光を抱き締める。
…ようやく手に入れた。
私の女神…!
光は縣の頬を優しく撫でる。
「これから忙しくなるわね」
「そうだな、まずは明日の朝、弟に君を紹介して…」
縣は生真面目に指折り数える。
「それから?」
「神谷町の麻宮家に伺って、侯爵に結婚の許しを乞う」
「父が反対したら?」
縣はにやりと笑う。
「…二人でパリに駆け落ちしよう」
光が縣の首筋に抱きつく。
「ドラマチックだわ!」
しかしすぐに縣を見つめ、真剣な表情をする。
「…その前に大切なことを忘れているわ」
「何?」
少し不安な顔をする縣の高い鼻を、光は人差し指で突っついて、少女のように無垢な笑顔で笑った。
「私に貴方のオムレツを食べさせて。パリで作ってくれた、あのオムレツを」
縣は愛しくてたまらないように光の額に額をつける。
「…お安い御用だ。世界一美味いオムレツを作るよ。
…ポルチーニ茸はないかもしれないがね…」
光は縣の言葉を最後まで言わさずに、そっとキスした。
そして、愛を込めて優しく囁いた。
「…貴方が作るものなら、なんでも美味しいのよ…」
〜fin〜