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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第2章 ピガールの麗人
ジュリアンが車を停めたのは、モンパルナスのピガール広場に近い毒々しいネオン煌めく店の前であった。
「…ここは…」
おおよそセンスの欠片もない下衆っぽいネオンを見上げて呟く。
…光さんに似た女性を見かけた店だ。
ジュリアンはさっさと車を降りながら、楽しげに答える。
「さあ、降りて!…今夜はお互い、ちょっとばかり紳士の肩書きを外して楽しもう」
「…紳士の…て、ここはどういう店なんだ?…まさか飾り窓の店じゃないだろうな」
ジュリアンは朗らかに笑う。
「そんな店じゃないさ。…だけど少々刺激的な店かな。…アガタだって興味があるんだろう?この間、この店をやたらと気にしていたじゃないか」
肘で縣を突く。
「あ、あれは…」
思わず口ごもる縣の肩を強引に抱き、ジュリアンは入り口へと誘う。
「まあいいから!入った入った!話はそれからさ」
入り口にいるでっぷりと太った赤ら顔のギャルソンがにこにこしながらドアを開ける。
…賑やかな嬌声とお世辞にも上手いとは言えないバンドマンの演奏、安酒の匂いとタールの強い煙草の香りに縣は包まれた。
ジュリアンにぐいぐい腕を引かれながら、縣は観念したように、店内へと足を踏み入れた。
「…ここは…」
おおよそセンスの欠片もない下衆っぽいネオンを見上げて呟く。
…光さんに似た女性を見かけた店だ。
ジュリアンはさっさと車を降りながら、楽しげに答える。
「さあ、降りて!…今夜はお互い、ちょっとばかり紳士の肩書きを外して楽しもう」
「…紳士の…て、ここはどういう店なんだ?…まさか飾り窓の店じゃないだろうな」
ジュリアンは朗らかに笑う。
「そんな店じゃないさ。…だけど少々刺激的な店かな。…アガタだって興味があるんだろう?この間、この店をやたらと気にしていたじゃないか」
肘で縣を突く。
「あ、あれは…」
思わず口ごもる縣の肩を強引に抱き、ジュリアンは入り口へと誘う。
「まあいいから!入った入った!話はそれからさ」
入り口にいるでっぷりと太った赤ら顔のギャルソンがにこにこしながらドアを開ける。
…賑やかな嬌声とお世辞にも上手いとは言えないバンドマンの演奏、安酒の匂いとタールの強い煙草の香りに縣は包まれた。
ジュリアンにぐいぐい腕を引かれながら、縣は観念したように、店内へと足を踏み入れた。