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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 聖夜の恋人
もう何度愛しあったか分からなくなるほどの激しい情交ののち、光は縣の腕の中で目を閉じたままやや拗ねたように呟いた。
「…貴方がこんなに野蛮な人だとは思わなかったわ。紳士の皮を被った野獣だわ…」
縣は可笑しそうに笑い、光を愛しげに抱き締める。
「光栄だ。…野獣の私はお気に召したでしょうか?お姫様」
光はまだ情事の余韻が濃く漂う目元で睨む。
「…不本意ながらね。…すごく良かったわ…」
堪らずに光の唇を奪う。
「…嬉しいよ、光さん。…君も…素晴らしい身体だった。…私は君にすっかり虜だ」
「…やめて…もう…」
光は赤く頬を染め、縣に抱きつく。
あんなにも淫らなことにしなやかに応えた光だが、今はどこから見ても高貴で気高い貴婦人ぶりなのは驚くべきことだった。
光こそ、昼間は淑女、夜は娼婦の如くなのではないかと縣は益々、強く惹かれる自分を感じた。
「…ディナーをすっぽかしてしまったわね、もう夜中の2時だわ」
壁の古いアンティークの柱時計に眼を遣り、ため息を吐く。
縣は余裕に満ちた様子で、光の髪を撫でる。
「従者に夜食を持って来させよう。…何が食べたい?」
「嫌よ、恥ずかしいわ。…それに…」
縣の首筋にそのほっそりとしなやかな腕を絡ませる。
「…貴方の食べ過ぎでお腹いっぱい…」
小悪魔のように笑う光に、縣は再び情欲に焔を灯されたが、さすがにこれ以上は光の身体を壊してしまうと堪える。
その代わり、息が詰まるほどの濃厚なくちづけを交わす。
光の唇は縣に奪われ尽くして、すっかり無防備な色をしていた。
それすらも素顔の光の色香を醸し出し、縣をぞくぞくさせる。
きりがないくちづけをなんとか切り上げ、縣は素肌にガウンを羽織り、寝台から降りる。
「…では、何か呑もう。…次の間にワインセラーがあるんだ。選んでくるよ」
人たらしな魅力的な瞳でウィンクするのに、光は今更ながらときめく自分を感じた。
「…貴方がこんなに野蛮な人だとは思わなかったわ。紳士の皮を被った野獣だわ…」
縣は可笑しそうに笑い、光を愛しげに抱き締める。
「光栄だ。…野獣の私はお気に召したでしょうか?お姫様」
光はまだ情事の余韻が濃く漂う目元で睨む。
「…不本意ながらね。…すごく良かったわ…」
堪らずに光の唇を奪う。
「…嬉しいよ、光さん。…君も…素晴らしい身体だった。…私は君にすっかり虜だ」
「…やめて…もう…」
光は赤く頬を染め、縣に抱きつく。
あんなにも淫らなことにしなやかに応えた光だが、今はどこから見ても高貴で気高い貴婦人ぶりなのは驚くべきことだった。
光こそ、昼間は淑女、夜は娼婦の如くなのではないかと縣は益々、強く惹かれる自分を感じた。
「…ディナーをすっぽかしてしまったわね、もう夜中の2時だわ」
壁の古いアンティークの柱時計に眼を遣り、ため息を吐く。
縣は余裕に満ちた様子で、光の髪を撫でる。
「従者に夜食を持って来させよう。…何が食べたい?」
「嫌よ、恥ずかしいわ。…それに…」
縣の首筋にそのほっそりとしなやかな腕を絡ませる。
「…貴方の食べ過ぎでお腹いっぱい…」
小悪魔のように笑う光に、縣は再び情欲に焔を灯されたが、さすがにこれ以上は光の身体を壊してしまうと堪える。
その代わり、息が詰まるほどの濃厚なくちづけを交わす。
光の唇は縣に奪われ尽くして、すっかり無防備な色をしていた。
それすらも素顔の光の色香を醸し出し、縣をぞくぞくさせる。
きりがないくちづけをなんとか切り上げ、縣は素肌にガウンを羽織り、寝台から降りる。
「…では、何か呑もう。…次の間にワインセラーがあるんだ。選んでくるよ」
人たらしな魅力的な瞳でウィンクするのに、光は今更ながらときめく自分を感じた。