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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 16区の恋人
フロレアンは縣の話を聞くやいなや、輝くような美貌に笑みを浮かべ、光の肩を抱きしめた。
「ヒカルの才能を活かせる素晴らしい話じゃないか!…僕は前から君がバールでアルバイトするのはあまり賛成ではなかったんだ。…危険だし、君には相応しくない。それに…」
その笑顔のまま、縣に向き直る。
「僕もヒカルをここに残して仕事に行くのは心配だったんです。ここは物騒なカルチェだから僕がいない間、ヒカルに何かあったらどうしよう…て。
ヒカルの古くからのお友達のところで、しかも大貴族のロッシュフォール家に住み込みならこんなに安心なことはない。
素晴らしいお申し出に感謝します」
「…では、承諾していただけますか?」
「もちろんです!…ヒカルは?どうなの?」
光はフロレアンに見つめられ、少し躊躇しながらも頷いた。
「…ええ。…やってみたいわ…」
「じゃあ、決まりだ!ムッシューアガタ、ヒカルをよろしくお願いします」
縣とフロレアンは再び、力強く握手をした。
「はい。責任を持ってお預かりいたします」

フロレアンは光を抱きしめる。
「ヒカルと僕と新たなチャレンジだね。離れていても君を心から愛しているよ。休日には会いに行くよ」
「私もよ、フロレアン。貴方を誰よりも愛しているわ」
フロレアンを見つめる光は愛に満ち溢れ、例えようもなく美しく…そして可愛らしかった。
縣は幸せそうな恋人達を微笑ましく眺めたのち、裏窓の外に目を転じる。

小さな裏窓からは切り取られたような小さな青空が見える。
サクレクールの鐘がどこかもの悲しげに鳴り響いていた。
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