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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 16区の恋人
シャツ姿でキッチンに降り立つと、縣はホワイトタイを緩めた。
そしてシャツを腕まくりする。
縣の逞しい筋肉に覆われた二の腕が露わになる。
後から付いて行った光は、その男らしい仕草と身体にどきりとする。
そんな自分を振り払うように、光は明るく尋ねる。
「何ができるの?」
縣は貯蔵庫や冷蔵庫を覗き、魅力的な笑みを浮かべた。
「トゥールダルジャンの晩餐とはいかないが、お姫様のお口に合うものを作るとお約束しますよ」
「何か手伝う?」
「君は料理は?」
光は肩をすくめる。
「ゆで卵も失敗するわ」
縣は優雅に手を差し伸べてお辞儀する。
「姫君はダイニングルームでワインでも飲んでいてくれ給え。新規のワイナリーのワインのテイスティングも兼ねて」
「あら、失礼ね」
二人は顔を見合わせ、揃って笑った。
笑った後、同時に感じたときめきに戸惑いながら
「…ダイニングにいるわ」
「…ああ、そうしてくれ…」
と、なぜだかぎこちなく会話すると、それぞれの持ち場に向かったのだった。
縣は光が階段を上がったのを確認すると、小さく溜息を吐いた。
「…しっかりしろよ、礼也。…光さんには恋人がいるんだからな…」
そして、気持ちを切り替えて、器用にボールに卵を割り始めた。
そしてシャツを腕まくりする。
縣の逞しい筋肉に覆われた二の腕が露わになる。
後から付いて行った光は、その男らしい仕草と身体にどきりとする。
そんな自分を振り払うように、光は明るく尋ねる。
「何ができるの?」
縣は貯蔵庫や冷蔵庫を覗き、魅力的な笑みを浮かべた。
「トゥールダルジャンの晩餐とはいかないが、お姫様のお口に合うものを作るとお約束しますよ」
「何か手伝う?」
「君は料理は?」
光は肩をすくめる。
「ゆで卵も失敗するわ」
縣は優雅に手を差し伸べてお辞儀する。
「姫君はダイニングルームでワインでも飲んでいてくれ給え。新規のワイナリーのワインのテイスティングも兼ねて」
「あら、失礼ね」
二人は顔を見合わせ、揃って笑った。
笑った後、同時に感じたときめきに戸惑いながら
「…ダイニングにいるわ」
「…ああ、そうしてくれ…」
と、なぜだかぎこちなく会話すると、それぞれの持ち場に向かったのだった。
縣は光が階段を上がったのを確認すると、小さく溜息を吐いた。
「…しっかりしろよ、礼也。…光さんには恋人がいるんだからな…」
そして、気持ちを切り替えて、器用にボールに卵を割り始めた。