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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 16区の恋人
光は縣を抱きかかえながら階段を上がった。
「少し寝んで。ただでも貴方は働きづめなのに…このままでは身体が参ってしまうわ…」
「…村の土砂崩れの件は…」
弱々しい声で続ける。
「どうなったの?」
「現場に葉山の父と弟が駆けつけてくれた。…まだ生存者がいるかもしれないからその救助要請と、それから生存者の緊急避難場所の手配や補償も頼んだ…」
「…貴方、弟がいたの?」
光は意外そうに尋ねた。
縣は漸く僅かに笑みを浮かべた。
「…腹違いのね。…優しい弟だ。
兄さんは何も心配しなくていいから、僕たちに任せて下さいと励まされた…」
「…本当ね。良い弟さんだわ。そうよ。貴方はちゃんとするべきことをなさったわ。とにかく寝んで。お願いだから…」
「…ワイナリーの件は?」
「大丈夫。無事に契約成立よ。私の仕事に抜かりはないわ」
縣は初めて弱々しい笑顔を見せた。
「さすがは光さんだ。君にはいつも驚かされる…」
と呟いたかと思うと、縣は突然階段の踊り場に崩れ落ちた。

「…縣さん‼︎縣さん‼︎しっかりして‼︎」
光の叫び声が響き渡る。
気を失った縣を抱き起こし、額に手を当てる。
「酷い熱だわ…。アンヌ!アンヌ!」
光の声を聞きつけたアンヌが階段を駆け上がり、倒れている縣を見て絶句する。
「アンヌ!お医者様を呼んで!縣さん、酷い熱なの」
「かしこまりました」
アンヌはそのまま踵を返し、ロッシュフォール家の主治医を呼びに走った。

「縣さん!縣さん!しっかりして!」
光は縣を抱きしめて、縣の名前を叫び続けた。



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