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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 16区の恋人
光は姉のようにフロレアンを宥める。
「そんなことないわ。貴方の考えすぎよ。フロレアン」
フロレアンは天使のように美しい瞳で光を見つめた。
そして、真剣な表情のまま告げた。
「ヒカル、僕はもう絵を描くことをやめようと思っている…」
光は耳を疑った。
「何を言っているの?フロレアン…」
フロレアンは光の手を握る。
そして寂しげな笑みを浮かべた。
「…僕はレンブラントやフェルメールみたいな天才じゃない。…自分の才能は自分が良く分かっている。パリ・コンクールも何度も入賞を逃しているし…」
「そんなこと…!貴方には才能があるわ!貴方の絵は素晴らしいわ。私だけじゃなく貴方の絵を評価してくれる人はたくさんいる!コンクールだって、いつもとても良い評価を貰っているじゃない」
「…僕位の才能の持ち主なんて…このパリには掃いて捨てる程いるさ。…ゴッホやゴーギャンだって亡くなってからようやく評価された…そんな世界さ…」
それより…と、フロレアンは強い瞳で光を見つめる。
「僕は君とこのまま離れて暮らすことに耐えられない!マレー子爵ご一家はそれはそれは僕に良くしてくれるけれど…でも僕はヒカルと一緒にいないと幸せではないんだ!」
「…フロレアン…」
フロレアンは絶句する光を励ますように笑いかけた。
「考えたんだ。…ヒカル、僕と一緒にニースに帰らないか?
僕の実家はニースで小さなホテルを経営しているって前に話したよね?兄さんも僕を心配して、画家になるのは諦めて早く帰って来い、一緒にホテルをやろうってずっと言ってくれてるんだ。…ヒカル…」
フロレアンは光の手を大切そうに握りしめ、くちづけする。
「…僕と結婚して。そして一緒にニースに行こう」
光が眼を見張る。
フロレアンの手が強く握りしめられた。
「ヒカルとずっと一緒に暮らしたい。もう離れたくない。結婚してくれ、ヒカル」



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