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愛憎
第18章 奮起
(昨日、あんな指令を出したけど、萌ちゃんやるか、しっかりと見ないとね…)

HRの為、クラスに向かうゆうはそう思っていた。

萌に課した指令の為、少し時間を早めに教室に向かっている。


昨日の指令を萌がこなせるかどうか心配だったためである。

(多分萌ちゃんの事だから、言われなくてもやるとは思うけどね…)


教室の後ろから、中の生徒が気付かないようにじっと見つめるゆう。

「先生おはようーどうしたのー?」

と言う、生徒に、自分の唇に人差し指を当て、

「しー…」と言う。

そんな様子に廊下にいる生徒も気付いたのか、ゆうに話し掛けなくなった。


(おーやってるやってるー)


必死に誠は萌に復習ノートを渡そうとするが

パシッとノートを振り払い、床に落ちたノートを拾い、俯く誠。

クラスはしーんと静まり返ってるようだ。



(あらら、萌ちゃん名演技。クラスを荒れさせちゃいけないから、よし、今行くか。)

ゆうは思ってもみなかった萌の行動に驚いてみてるが、

(まぁ、アリかな。)

指令したのは私だし、萌ちゃんに何かあったら私がフォローしよう。

そう思った。

「みんなおはよー!」

と、いつものゆうで挨拶をする。

萌は最近感じていたボーッとしていた雰囲気はない。

(こちらは大丈夫ね。)

逆に誠は俯き加減だ。

(ははは…やっぱ堪えるか…。来たらハッパかけるか)

そう思いながら、HRを進めた。

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