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愛憎
第7章 その時
ゆうは
『ちょっと、あの子のお父さんがね、自分の病気を受け入れられなくて、お父さんも辛い気持ちになってるし、あの子も辛い気持ちになってるみたいなの。』

と、誠に言った。

誠はその時

『……ふーん。』

しか言わなかったが、ゆうの元に萌を連れて来たのは、その翌日の事だった。

一人で、病院の冒険しちゃダメよ。と、度々誠に言い聞かせ、
冒険に行くたびにげんなりしていたが、あの時は

(なんって、行動力が早い子!)

なんて、心では感心していた。


今ではゆうにはバレバレな誠の萌に対する恋心だが、鈍感な萌には気付かれてはいないだろう。


(うぅーん…。)


そこから答えが導き出せない。

(もう少し静観してみようか…。もう少し関わりを多くしてみようか…)


ぐるぐるとゆうの思考が回る。

ぐるぐる回っていたのに気付いたゆうは

(よし!授業準備しよう!)

と思った。

どう切り出そうか迷いながら……。
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