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愛憎
第2章 再会と過去
「もーう、通信やりながら夜勤したあとに勉強するのは大変でねぇ〜。
でも、先生になって、同じお医者さんとか、看護師さんの卵の子たちの支えになりたくて。
そしたらなんか取れちゃったの!私もビックリしたわ〜。」
クスクス笑う澤村先生に、緊張していたクラス全体が顔を綻ばせる。
担任に好感を示した瞬間だった。
「ちなみに旦那さんはいます!お医者さんだよぉ〜。子どももいて、三歳になりました。」
そんな言葉にクラスの女の子達からは
きゃ〜!!と言う言葉が広がる。
「そんな感じで、私の自己紹介は終わり!35名の諸君!よろしくね!
今度はみんなの自己紹介、してもらおうかな?」
にこやかに話した先生は出席番号1番の女の子と35番の男の子にじゃんけんをさせ、35番の子から順番に自己紹介することになった。
一人一人挨拶し、萌の番。
萌は立ち上がって挨拶をする。
「17番 高橋萌と言います。中学では吹奏楽部でした。よろしくお願いします。」
すると、ピクリと澤村先生が反応を示す。
ふと、先生の様子が気になり、
「…先生?」
と声をかける。
澤村先生は
ハッとした顔をし、
「ううん、なんでもないわ。」
と言った。
(………?)
澤村先生の様子が気になったが、気を取り直して、他の同級生の挨拶を聞いていた。
終盤になりかけた自己挨拶。
次は誠の番である。