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愛憎
第2章 再会と過去
「ちなみに、部活またやる?」

「ああ、勿論!!」

「よし!早めに部活の届け出出そうね!!」

「そうだな!また一緒に音合わせできるとは思わなかったぜ!
萌、マジ頑張ったなぁ…」

「まこちゃんもでしょ?」


「ああ…。」

誠が遠い目を仕掛けた時に、担任が入って来た。

「はーい。立ってるみんな、座ってね〜!」

ハキハキとした声が教室に響く。


「こんにちは!初めまして!1年A組の担任を務める澤村ゆうです!
担当教科は国語になります!
担任になるのは今回は初めてだけど、よろしくね!」

と、自己紹介した。

進学校の普通科の高校で、珍しくクラス替えのない萌達の学級は三年間澤村先生にお世話になる。

スーツ姿で入って来た担任はストレートの髪を背中まである髪をハーフアップし、清廉とした感じの可愛らしい女性だ。

澤村先生は経歴を話し出す。

澤村先生は同じ付属高校を通い、大学に進学した後、国家試験を受け、現役合格の看護師3年目の時に、ある患者との関わりの中で、通信で教育免許を取り、教鞭を持つ事になったと言う、変わり種の三年目の35歳の女性だ。

大学病院の付属として医学部、看護学部がある萌が受かった学校は、華々しい実績があるため、高校の時から既に看護師、医者志望の生徒が多いのだと言う。


本当は養護教諭の資格を持ち、教員としても働けるが、澤村先生はそれよりももっと近い所で、そんな子ども達の力になりたい。と思って教員免許を取りたくなった。と語った。

社会人経験者…しかも専門性が高い職業の代表者として…。

萌も、どうしても、父が亡くなった大学病院で勉強し、働きたかった。

ある看護師に影響を受けたからだ。

高校から看護師の専修学校には確かに行けれる。

中学の先生が反対したのは、成績からそちらの専修学校に行かせたかったというところ。
わざわざ難関の大学に入試して大丈夫なのか…と言う、先生の懸念を振り払い、第一志望をこの学校にした。

ちなみに誠は萌よりも成績が優秀で、医学部志望である。


澤村先生の話を聞き、何故、看護師と言う資格を活かさなかったのか…というよりも、通信で看護師として働きながらも、教師と言う職業に見事キャリアチェンジした澤村先生のタフさや志に感動した。


(すごい…)




萌にとって、澤村先生は一瞬にして憧れの存在になった。


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