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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第2章 憧れの……
いつも通りに満員のバスに乗り、身体のバランスをとりながら単語帳で勉強すること五十分。
なんとか人をかき分けて目的のバス停で降車。
そこから路地に入ってわずか100mほど歩くと、彼女の前に築三十年の木造アパートが現れる。
お世辞にも綺麗とは言えない前庭と階段室を通って、ニ階の一室のドアに鍵を差した。
鍵が開いてる…
「お兄ちゃん、ただいま」
「──…おかえり」
帰宅した彼女をドアを開けた瞬間に出迎えたのは、くつろいだ部屋着姿のスラリとした青年だった。