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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第10章 兄妹だから
想いが……強くて激しい
止めどなく注がれる愛情が、彼女の心臓をぎゅっと掴んで破裂させようとしてくる。
「……花菜、よく、覚えておいて」
「ン…ッ‥ハ ァ……」
「こうやって唇を押し当てて……肌に、強めに…ッ……キスをするとね
──…痕が残るんだ」
「…ど‥‥どんな、痕…‥?」
「フ…」
痕は独占と挑発の証だよ
刻み付け…見せ付ける
「──…ああ……キレイだね」
鎖骨の下──胸の膨らみにかけて弾力が増すその場所に、伊月の所作でパッと色が咲く。
咲いた朱色をしっかりと目で確認したうえで、彼は二つ目を刻み付けた。
「ぁ、…ハ‥…─ッ」
花菜の背中がドアから離れて身体が仰け反る。
両脇に手を入れて下から持ち上げられている彼女は、踵(カカト)が宙に浮く不安定な体勢だった。
そんな花菜はフルフルと震える太ももで伊月の脚をはさみ、両手は彼のシャツの袖を掴む。
“ お兄ちゃん…っ、これ、苦しいよ…! ”
苦しい、少しだけ痛い。熱くて熱くて仕方がない。
身体の中を流れる血液が、伊月の唇を目指して一箇所に駆け抜けていくようだ。