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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第10章 兄妹だから
コレッテ、ヘンダヨネ?
わたしたちはキョウダイ なのに
キョウダイなのに
愛情とは違う何かがあるなんて
“ …っ、よく…じょう……? ”
花菜はこの時──真っ直ぐな愛情を注いでくれる伊月のキスが、いつの間にか別の意図を含んでいるとはっきり気付いた。
『 独占と挑発の証だよ 』
欲情……、独占──…ッ
.....
何故だろう
これって、初めてじゃあない
そんな気がする
『 お前は俺だけのものだ…──ッ 』
暗闇の中で、顔も見えない暗い部屋で
オニイチャンの声がする
『 他の誰にも理解なんてされなくていい 』
いつだったかも思い出せない
『 お兄ちゃんに花菜の全部を見せてよ 』
思い出したら、駄目だ
『 花菜の身体…っ…とても素直で可愛い… 』
思い出したら駄目
駄目、駄目、駄目、駄目ダメダメダメ…
『 花菜…──愛してる 』
思い出せば全てが壊れる
壊したくない
壊れたくない
『 ぃゃ…‥‥‥‥だ、やめてよ
やめて‥‥ッッ‥‥‥お兄ちゃん 』
ゾワァッ...!!
「い……嫌」
「……!?」
「いやだあああ! やめてッッ…やめて、お兄ちゃん! お兄ちゃん!!」
瞬間、忘れなければならない…いつかも知れぬ光景が、彼女の意志に反して一気に脳裏を逆流してきた。