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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第12章 かき乱す者

「昨日……ねぇ?」

「き、きのう…?」

「いきなり先輩がさ~、ほら、ここに来て」

「あれホントーにビックリしたぁ」

「先生も焦ってたよね~」

互いを見合って内輪で盛り上がられても何のことか花菜にはわからない。

昨日?

昨日、自分は学校を休んで、それから…

不破先輩が…


「……あ」

「プリントを届けてやるから鈴村さん家の住所を教えろって、終礼中に乗り込んできたもんね~」

「へ…!? そうなの…!? 乗り込んで?…って、教室に?」

「そうよ、鈴村さんの名前は覚えてなかったみたいだけど」

「……!」


昨日、不破が配布物のプリントを持ってアパートに現れたことは覚えている。

だがどうだろう。

教師だけじゃなく、クラスメイト全員の注目を浴びながら受け取っていただなんて聞いていない。

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