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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第12章 かき乱す者
この人はなんて、なんて自由なんだろうか
「──…大嫌い、なのに」
「……?」
「…っ…それなのに先輩のことが気になって仕方がないのは、どうしてですか……!!」
これほど軽蔑しているのに惹き付けられる
自分の内側に陣どる存在…それが不破だ。
今までにこんな人はいなかった。
彼女にとっての特別はただ、ひとりだけ──
ひとりだけ
憧れのあの人だけだったのに。
「どうして先輩みたいな人を……わたしは……!?」
「──…教えてやろうか」
「─…ッ」
ベッドの縁をシーツごと握りしめた花菜の手。
頭を上げて振り返った不破は、その手を掴んで強く引き寄せた。
花菜は身体ごと腕を引っ張られて後ろに傾き、ベッドの上で仰向けにひっくり返る。
さらに彼女に被さり動きを封じた不破は、彼女の口を顎ごとわし掴んで声を封じた。
「俺を無視できない理由、教えてやる」
そして反対の手は花菜の首から赤色のリボンをほどいてしまった。