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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第3章 ルール

“ そもそもカフェってなに? 親のお金でそんな所に行って…どうしてそんな贅沢ができるんだろう ”

階段を一段ずつ掃き下ろしながら、徐々にたまっていくホコリを見下ろす。

これ以上 伊月の話題で盛り上がられるのが嫌で、花菜は同級生と目を合わせなかった。

「兄妹でスーパーに行くって仲良すぎなぁい?」

なのに女生徒の舌は止まらない。

「そーいうのって、せめて中学で卒業だよね。恥ずかしいもん」

「そうかな…? 恥ずかしくないよ」

「鈴村さんってまさかのブラコン!? そのお兄ちゃんのこと好きなの?」

「え…!?」

ブラコン──

花菜の顔は途端に赤くなった。

恥ずかしさよりも怒り。

何故だか、兄の伊月を侮辱されたような心持ちだった。

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