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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第3章 ルール
けれど怒りのあまり否定が遅れてしまったから、何も言わない花菜の態度は肯定ととらえられてしまった。
同じ掃除場所の生徒が勝手に盛り上がりだす。女子も、男子もだ。
「本当にブラコンなんだ! 意外!」
「うわぁ、俺も妹いるけどさ、妹と恋愛はムリだわー」
「お前の妹、ブスだしな!」
「うっせぇ黙れよ」
皆、花菜に興味があるわけじゃない。
なのに見つけたネタをなかなか離そうとしない。放っておいてほしいという彼女の思いは通じない。
“ 嫌だ…! お兄ちゃんを馬鹿にしないで! ”
我慢も限界にきた花菜。
彼女はその場にホウキを投げ捨てた。
青色の持ち手が傾き──階段に落ちて、鋭い音が鳴り響いた。
カン!
カラン カラン カラン...
「うわっ…!?」
騒いでいた生徒達もこれにはさすがに静かになり、花菜に注目して固まった。
「…す、鈴村さん、どうかした?」
「……」
「ホウキ落としてるけど…っ」
「…そろそろ、お喋りやめようよ」
「はぁ…?」