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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第13章 戒めの快感
「このまま素直に逃げてみるか?
…兄貴から俺に乗り換えろよ」
これは彼なりの優しさなのか。それとも暇つぶしの延長なのか──。
それでも花菜の涙を拭ったその時だけは…人並みの良心を感じられる触れ方だった。
その間も花菜は彼から目を反らさない。
もし反らせばそれは、彼の言い分を認める事になる気がして…だから、できる限り大きく開いた目で、黒い瞳を震わしながら真っ直ぐ見据えた。
…ああ
本当にこの男(ヒト)の目は迷いがない
わたしも…この男のようになれたら、自分を抑え付けることも他人を気にかけることもなく生きられたら
そうしたら、もっとラクになれるのかな
もっと自由に……なれるのかな
「わたしは…っ、どうすればいいんですか…!?」
「……フ」
何が理由であれ花菜はこの悪党に惹かれた。
それは事実だ。
ここまでくれば以前の通りには戻れない事を悟ったのかもしれない。
以前の花菜…
何も知らず、伊月に憧れるだけだった頃の彼女には戻れない。
一度切れて繋がれた物は──どんなにキツく結ばれたところで繋ぎ目が歪(イビツ)になる。
元通りにはならない。
「──…お前は俺に遊ばれていろ」
「‥は…、ア‥っ‥//」
何かを諦めた彼女を見定め、不破は再び腰を動かした。
繋がったままの場所が男根の律動に合わせて蜜を吐き出す。
花菜の目はあっという間に細まり…彼のシャツを握ったまま狂おしく身悶えた。
悪魔に魂を売って得られる刹那的な悦楽──。
今の花菜にはこれがたまらなく魅力的で、すがりつかずにはいられなかった。
───…