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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第14章 飽きられるまで
──…
あれから何日経っただろうか。
二週間…いや、三週間。
今や梅雨のピークも過ぎ去り、"異常"と言われる暑さが毎日のように続く初夏である。
◯月並の猛暑、◯◯年に一度の大雨…
異常という言葉の、その本来の意味がわからなくなるくらい今の日本は"可笑しい"らしい。
花菜が開花を楽しみにしていた高校の花壇のマーガレットも、気温の急激な変化に耐えられなかったのかすぐに枯れてしまった。
しかし彼女自身は、すっかりこの異常な毎日に慣れてしまった。
朝のニュースで何を聞いたところで、それはどこか遠い世界の──現実味のない数値にすぎない。