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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第14章 飽きられるまで



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コトを終えた屋上から見下ろす運動場では、部活動を終えた生徒たちが部室に向かってダッシュしていた。

下校時間が迫っている。

これに誰かひとりでも遅れると部活単位で減点があるらしく、彼等は素早く荷物を回収…早々に下校しなければならない。

雨上がりでぬかるんだ運動場。よくもあれだけ走れるものだ。

「帰らなきゃ…」

衣服を整え、重たい身体にムチを打ち、花菜もまた帰り仕度を始めた。

横には不破が立っている。

いつかと同じようにフェンスに背中を預けた彼は静かに本を読んでいた。

よろけながら立ち上がる花菜を急かすわけでもなく、気遣うわけでもなく…

暑いのか、大胆にはだけさせたシャツの裾を掴み、片手でパタパタとあおっている。

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