この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第14章 飽きられるまで
「もも!何してんだよ!」
「だからわざとじゃないって、ふかこうりょく!」
「ヤバイじゃん…、この子、不破の彼女だろ?」
「……ふん」
花菜の背中にクレープをぶつけてきた女生徒と、その彼氏が騒いでいる。
派手に汚れてしまった制服に、さすがに花菜もショックを隠せず固まっていた。
けれど誰も同情しない…。
花菜が周りを見回すと「いい気味ね」と言わんばかりに笑う女生徒ばかり。
この状況で笑われている事よりも
この人数で、皆がひとつの同じ表情をしている事のほうが不気味に感じた。
“ ここ、気持ち悪い…… ”
こんな人たちに構ってられなくて、花菜はすぐに不破の後を追った。
「ダッサ〜、ふふ」
走り去る彼女に嘲笑が手を伸ばす。
それに捕まらないように、花菜は足を速めた。