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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第14章 飽きられるまで

「あ の…?どうかしましか…?」

「…いや」

不破はすぐに目を反らした。

動揺とか、そんなふうに慌てた様子はなかったが…。

「明日」

「え」

「朝も屋上に来い。わかったな」

「先輩?あの…っ」

それだけ言った不破は花菜を残して店から離れた。

周囲の生徒が彼に道を譲り、気まぐれな背中を見届ける。

別にいつも一緒に帰っているわけではない。

そもそも帰り道が違う花菜と不破は、校門を出てすぐに別れるのが日常──。

だけど、さっきの別れ際の表情が気になって

“ 不破先輩…!? ”

花菜はこのまま帰りたくないと初めて思った。


「待ってください…!──あ!」


ベチョ...


「‥‥‥?」

「あ、ゴメーン」


すると、彼を追おうとした花菜の横から誰かがぶつかってきて


「ごめんね〜。わざとじゃないから!」

「な‥」


制服のシャツに、アイスクリームをベッタリと付けられてしまった。


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