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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第15章 汚れた安堵

でも渦巻くのは不安だけじゃない。

すぼめた唇で懸命に頬ばる彼女の顔に、熱色の朱が注がれる。

彼女が頬ばっているモノはアイスのように甘くはないし、ツンとした香りも好きじゃない。

なのにどうして……そう、どうしてだろうか

消えてしまいたいほど恥ずかしいのに、イヤじゃなかった。

「…ふぅ‥ッ……ん、…ハァ」

「…っ…手は、こうだ」

「んんッ……!」

花菜が不器用な口淫を続けていると、添えた両手に不破が手を重ねてきた。

彼女の手ごと陰幹を握り上下に動かす。

突然で驚く花菜の口内では、その先端が張りを増して圧迫してきた。

“ また大きくなってる ”

こんな事をしていていい筈がないと…自分を、彼を、諌めなければならないのに

自分の掌を道具のように使われながら、それでも彼女はこの行為が嫌ではなかった。

「…ふぅッ…ふぅッ‥─!…‥ん ふ‥」

息苦しい。鼻で荒く呼吸をする花菜の目尻にシワが寄って表情が歪む。

奥まで突きこまれている訳でもないのに、立ち籠める男の色気だけで咽(ムセ)そうだ。

亀裂から滲み出る体液。口いっぱいに広がって…鼻の奥まで抜けていく。

理由など知らないが、自分のツバまで粘りを増している気がした。

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